社会人になって10数年が経った。
新卒から同じ会社に勤めあげているのだが、最近になり、仕事に対して色々と考える中で、「帰属意識」と言うキーワードに行きついた。
今はマネージメントの仕事をやっているのだが、やる中で息苦しさが出てきている。
そんな中でふと思ったのが、自分には「帰属意識」がないから、会社のラインに組み込まれていることが苦痛なのではないかと。
自社ではなく客先で働く毎日
これまでも「帰属意識」がないなと思ったことは何回かあった。
最初に思い出したのは、自分が客先常駐の仕事をしている時だ。
自社に帰るのは年に数回で、毎朝出社するのはお客様先。
そんな毎日を送っていると、オフィスの使い方なども自社のオフィスより客先のオフィスの方が詳しくなる。
たまに帰る自社はアウェー感が満載で、オフィスの椅子に座っていてもなんだかソワソワする。
(当然、自分の席ではなくて、フリーアドレスで余っている席である。)
そこで出てくるキーワードが自分の会社への「帰属意識」と言うものだ。
自社の情報に触れることが少ないから、自分の部の部長位までしか偉い人にはあったことがない。
社員で知っている人は、一緒に客先常駐している人だけ。
自分はどこの会社に属しているんだろうという思いさえ出てくる。
そうすると「帰属意識」がないと言うことに行きついた。
「帰属意識」の正体
今では客先常駐の仕事は終わり、自社のオフィスで働いている。
知り合いの社員も増え、役職者との繋がりも増えて、オフィス移転などがあったがオフィスの使い方なども詳しくなり、自社にいる感じは当然増している。
だが、「帰属意識」はないと感じてしまう。
「帰属意識」とは一体何なのだろうか?
仮に「帰属意識」があれば、会社のラインに組み込まれても苦痛ではないと思えるとする。
会社のラインに組み込まれると言うことは、会社の経営を担うと言うことだ。
そうすると「帰属意識」とは会社の経営を担いたいことであるとも言えそうだ。
どうしたら会社の経営を担いたいと思えるのだろうか。
自分の会社だったらどうだろうか。
自分が考え出した愛着のあるアイディアを元に事業をする。
どうにかその事業を世の中に広めたいと思い活動する。
会社と言うものが自分の生きる意味を見出し、居続けたい場所となっているのだと思う。
そうすると「帰属意識」とは会社に居続けたい気持ちなのではないか。
マンションの理事会をやる人の気持ち
少しシチュエーションを変えて考えてみる。
自分があるマンションに住んでるとする。
マンションにはそのマンションを運営するための理事会がある。
理事会に出たからと言って、お金がもらえるわけでもないので、出来ればやりたくない役回りである。
これがマンションに対する「帰属意識」がない状態であると思う。
しかし、そんな役回りでも率先してやろうと思えるケースがある。
それは、そのマンションにこれからずっと住み続けて、他に移ると言う選択肢がない時だ。
もうそこに住み続ける必要があるので、これからマンションがどうなっていくかは、自分が住み続ける上で重要な関心事になる。
そうするとそれは、マンションに対する「帰属意識」がある状態になっていると考えられる。
そうなのだ。
やはり、「帰属意識」とはある特定の場所に居続けたいと思える気持ちなのである。
自分の会社に居続けたいと思うには
では、自分の会社に話を戻そう。
自分の会社に居続けたいと思えるのはどんな時だろうか。
たくさんの給料がもらえているときであろうか。
今は人手不足の時代である。
ある程度の実力があれば今いる会社でなくても同じくらいの給料はもらえるであろう。
そうするとたくさんの給料をもらえていることはその会社に居続けたい動機にはならなそうである。
では、会社から評価されているときであろうか。
確かに人の承認欲求が満たされるという意味で、評価されているところには居続けたいと思えるだろう。
しかし、その評価が成り立つための苦労が相当なものだとしたらどうだろうか。
毎日毎日苦労が絶えないところに居続けたいと思えるだろうか。
毎日が苦にならないという意味で、やっている仕事が楽しくてしょうがない時ではないだろうか。
やっている仕事が楽しくて毎日ウキウキする。
他の会社に移ってもそんな仕事に出会えるかはわからない。
生きていく中で仕事をしていく必要がある前提があるのであれば、そんな毎日ウキウキする場所に居続けたくないと思う理由は何もないと思う。
「帰属意識」がマネージメントを頑張らせる
毎日ウキウキする場所に居続けたいと思うから、その場所を維持するためにも必死になれるのではないか。
そうすると会社の場所の基礎になる組織を維持すると言うことに繋がっていく。
それはマネージメントの仕事に他ならないのであろう。
そうすると最近感じていたマネージメントに対する息苦しさにも説明が付きそうである。
今いる組織は嫌なことも多く、転職だって可能な世の中であることを考えると、その組織にずっと居続けたいと思うことはないだろう。
これが「帰属意識」がない状態。
そうすると、その組織をどうにか維持したいという思いも持てなくなり、マネージメントの仕事をやるモチベーションも上がらなくなるのだ。
逆に言うと毎日ウキウキ仕事が出来る職場で、そんな職場は他には出会えないと思える。
そうすると何としてもこの場所に居続けたいし、どうにかこの環境を維持したいと思う。
これが「帰属意識」がある状態。
そうすると、その組織をどうにか維持したいという思いも出てきてマネージメントの仕事をやるモチベーションも上がることになるのだと思う。
しかし、ふと一つのことに気が付いた。
毎日ウキウキしている仕事にマネージメントの仕事が加わった時に、そのウキウキを維持し続けることは出来るのであろうか。。。